風の歌を聴きながら

韓国語レベル万年中級者の気まぐれ翻訳ブログ。

HYUKOH ヒョゴ 「困難を克服するのに愛に勝る答えはない」(聯合ニュース)【和訳】

「困難を克服するのに愛に勝る答えはない」

혁오 "어려움 극복하는 데 사랑만 한 해답 없죠" | 연합뉴스

2020.02.06

 

「青春」を歌うヒョゴ、新アルバムで「社会」に視野を広げる

「人気の理由はよく分からないがただ感謝する...良い音楽を伝えたい」

 

 

「今回のアルバムは今までのアルバムとは切り離したかったんです。『愛を通して』はこれまでのアルバムと比較したときに、僕たちの姿勢や手法が確実に変わっています」

 

ヒョゴは今月4日、聯合ニュースとの紙面インタビューを通して新しいアルバムについてこのように明かした。

 

彼の言葉通り、先月30日に発売された「愛を通して」はこれまでのアルバムと比較して目に見えて変化している。

 

まず、収録曲である「Help」「Hey Sun」「Silverhair Express」「Flat Dog」「World Of the Forgotten」「New Born」の6曲は、全てタイトル曲である。ファンの間では「タイトル曲以外はイマイチ」という冗談も出ている。

 

ヒョゴが全曲をタイトル曲にしたのには、6曲を順序通りに続けて聴いてもらおうという意図が隠れているようだ。

 

全て異なる曲のように見えるが、実はひとつの叙事として繋がっているため、収録曲を全部聴いてこそアルバムを「ちゃんと」鑑賞したことになる。

 

「作業を始めたときから曲を個別に切り離すという考えはありませんでした。ひとつのものとして繋がるから、アルバムとして聴いたときに感じられる感情がきっとあると思います」(ギタリスト・イムヒョンジェ)

 

アルバムが一つのストーリーであるだけに、伝えようとするメッセージもハッキリしている。アルバム名「愛を通して」がヒントだ。

 

ヒョゴはアルバム紹介でチャンソクジュ詩人が書いた「愛について」を引用し、愛は依然として唯一、矛盾と不条理の狭間で呻く私たちに手を差し伸べるほとんど唯一の代案だと説明した。

 

このアルバムを通して、私たちが直面するさまざまな社会問題を改善する方法として「愛」を提示しているのだ。

 

「愛には多様な形態があります。しかし、愛ほど真摯に求め、切実な気持ちはないという点で(すべての愛に)大きな違いはありません。愛する姿勢を持つこと。困難を克服するのにこれに勝る答えはないと思います」(オヒョク)

 

彼らはこれまで20代の青春が経験するさまざまな感情や想いを歌ってきた。アルバムのタイトルは、「20」「22」「23」のように、リーダー・オヒョクの当時の年齢からつけられた。

 

しかし、今回は視線を自分自身や青春ではなく、「社会」に持っていった。このような変化にはどんな背景があるのだろうか。

 

「僕のような人間一人ひとりが集まって社会を形成しているということが、胸に響く時期が来ました。社会的イシューや現象を見て、『個人として堅持するべき人生の根本的な態度とはなにか』について自然と考えるようになりました」(イムヒョンジェ)

 

オヒョクは特別なきっかけはなかったとし、大きく小さな経験が自身をこの方向に導いたようだと言う。

 

「以前は否応なしに僕が直面する困難や、僕を中心とした比較的小さな環境に対して関心が留まっていたとしたら、今はその範囲を少しずつ広げていかなければならない、と思い始めました。寛容や愛が、結局のところ僕が生きていく環境にも影響を与えるんじゃないでしょうか。少しずつ、もっと良い世の中になることを願います」(オヒョク)

 

メンバーたちの心にずっしりとした社会意識が自然と染み込んだように、アルバムに載せられた音楽もやはり自然と作られていった。イギリスのリアルワールドスタジオで曲作業をしながら生まれた一つのリフ、一つのメロディーライン、一つのコードなどを始まりとしてアルバムに落とし込んだ。

 

「日常と孤立した場所でアルバム作りだけをしていました。集中できる環境だったので、一瞬のサウンドに集中しました。作業のやり方で変わったのは、完成しているデモがなかったという点ですが、デモを作ってから作業をするとデモにいつも縛られている気分になるからです」(オヒョク)

 

このようにして誕生した「愛を通して」は、発売と同時に音源チャート上位圏に入り、ファンからはヒョゴだけが出来る芸術的試みだという評価も受けた。

 

海外にもしっかりとしたファンダムがあり、ワールドツアーも控えている。残念ながらドラマー・イイヌは健康上の理由で不参加だ。

 

このように大衆性と芸術性という二兎を両手に掴んでいるが、ヒョゴは人気の理由が未だによく分からないと言い、ただただありがたいという言葉を伝えた。

 

「こういう話を聞くたびに嬉しくもあり、プレッシャーでもあります。このプレッシャーを健全に利用して、これからもより良い音楽をお聞かせ出来るようにします」(オヒョク)

 

 

〈終〉