JAY PARK パクジェボム インタビュー(エスカイア)【和訳】
박재범은 박재범을 믿는다 - 에스콰이어 코리아 Esquire Korea
2019年7月号
パクジェボムはパクジェボムを信じる
パクジェボムは自分が出来る限り、行けるところまでやろうとしている。誰がなんと言おうと自らを信じ最後まで進むつもりだ。
今頭の中にどんな単語が浮かびますか?
お腹がいっぱいだ、運動しなくちゃ、明日やることが多い。
忙しく過ごしていると噂になっていますが、明日やることが多いんですか?
忙しく過ごしているのでやることは多いですよ。
2年前に会ったときもとても忙しいから休みたいと言っていましたが、相変わらず忙しく過ごしているんですね。
そうなんですよ。なんででしょうね?まあ、出来てしまうから?(笑)
出来てしまうからですか?だからずっと自身を苦しめているんですか?
ある意味では苦しめていますが、努力しているということでもあります。
誰かのための努力ですか?
みんなのための努力。そして自分のための努力。この場所に居ようと思ったらたくさん努力をしなれけばなりません。僕が大なり小なり多くのことを成し遂げてきたじゃないですか。その僕がやってきたことは紛れもなく僕の努力によって達成されました。誰かが僕を立ててくれたり後押ししてくれたことはありませんでした。だからなにか目標を達成しようと思ったときにどのくらいの努力が必要なのか知っています。怠ければ成果はなく、やっただけ返ってくるというのを誰よりも分かっているのでこうして努力しているんです。自分がなにをすれば継続して今の位置に居られるのか、誰よりもよく理解しているから。そして僕によって所属のアーティスト、従業員、家族、友達に機会が生まれるじゃないですか。僕がその人たちをずっとサポートするためにもこの地位を維持しようと努力しているんです。
誰かにサポートをしてもらったことがないのに、なぜ誰かをサポートしようとするんでしょう?H1GHR MUSICのアーティストたちにインタビューしたときも、メンバーは口を揃えて「こんな人が他にどこにいるんだ」と言っていましたよ。見返りを求めずとにかく助けてくれると。自身はそういった恩恵を受けられないのに、どうしてそういった心を持つことが出来るのですか?
だからこそするんですよ。誰も僕にそうしてくれた人がいなかったから。僕がその経験があるから、誰よりもその気持ちが分かるじゃないですか。僕も「誰か僕に手を差し伸べてくれたりサポートしてくれたらいいな」とすごく思っていたけど、そういう人が誰もいなかったんですよ。なのに「将来こいつが僕に恩返ししてくれるだろう」なんて期待する気持ちでいるならサポートしない方がマシです。
不思議です。社会生活を10年もしてきたのに、依然としてこんなに健康な心持ちでいるということが。
これが健康な心持ちですか?健康な心持ちこそ長続きします。だから今10年間も活動しているじゃないですか。
思えばAOMG、H1GHR MUSICのアーティストの中でパクジェボムの元を離れた人は一人もいませんね。
僕たちは無理してではなくお互いを尊敬し合って好きで集まりましたからね。才能のあるアーティストたちを会社に縛り付けて契約したわけではありません。いつか僕がAOMG、H1GHR MUSICをやらなくなっても僕たちは...。
良き友達になるでしょうね。
もちろんです。断言しますが誰一人として後味悪く出ていくことはありません。
H1GHR MUSICレーベルを設立するといって初めて団体写真を撮る時に会いましたが、それがもう2年前です。
そうですね。時間が過ぎるのは本当に早いです。
時間が経つのが早いと言えばどんな気持ちになりますか?もっと一生懸命生きなくちゃ?
いいえ?「あ、こうしていたら50歳になっちゃうな。ダメだ、早く引退しなくちゃ」(笑)
え?
永遠に生きるわけではありませんから。人生の半分を生きたのに、「ああ、僕は仕事しかしていない」と思ったらもったいない気がします。
先日、インスタグラムに「僕の音楽やキャリアを軽視して、僕の経歴が疑問に思ったら」と吐露するようにアップした投稿を見ました。納得いかないことでもあったようですね。
納得いかないことではないです。(笑)特になにかがあったわけではなく、僕を好きだったりこっちのシーンに関心がある人でなければ僕がどんなことをしているのか分からない気がして。少し前にYouTubeで制作した僕のドキュメンタリーの記者会見をしたんですが、ある記者の方が「パクジェボムの認知度が海外で一体どの程度のものでYouTubeでドキュメンタリーを作るのか、パクジェボムが果たしてそれに値するキャリアなのか」というような質問をされました。
その記者会見は一ヶ月前でしたよね。その時のその質問がずっと引っかかっていたということですか?
というよりも「世間の人々は僕について本当に知らないんだなあ。少しでも知ってくれていればそんな質問をそう容易く出来るはずはないのに」と思って。なんとなく急に言いたくなったんです。僕を知らない人たちに、僕がこんな活動をしている、と。
たまにはそうやってキッパリと言う必要もあります。
そうですね。人があまりにも謙遜しすぎるとそうなるんですよ。派手に着飾って広く知られてようやく世間が「わあ、こいつはなかなかやるな」と思うし。でも性格的に自分がやったことを派手に着飾って自慢するタイプではありません。いや、まあ、たまにはしますよ。僕も人間ですから。でもそれを24時間、一週間ずっと肩を張って「僕は凄いぞ、僕はパクジェボムだ」なんてする必要はないじゃないですか。
今やアーティストの中のアーティストになりました。他のヒップホップレーベルの代表までもがロールモデルとしてパクジェボムを挙げています。今回YouTubeのドキュメンタリーを制作した監督は「パクジェボムほど一生懸命生きている人を見たことがない」と言っていましたが、一体どれほど一生懸命生きているんでしょうか?
分かりません、僕も。みんながどうやって生きているのか知らないから。
そう言いながらも緩んでいる口元はなんでしょう。(笑)「僕も僕が秀でていることは知ってるよ」という笑みですが。
僕も最近になって自分が一生懸命生きているんだと感じます。以前は全くそのように考えたことはなかったんですが、色んな人、特に高い地位にいる人たちに会ってその方たちの働き方を見て「僕は本当に一生懸命生きてるんだな」と思いました。うーん、僕は欲張りのようです。負担も多く抱えているし、常に緊張も解きません。
ストレスが凄まじくありませんか?
ストレスは感じますがありがたいですよ。 僕がその重さに耐えられるということじゃないですか。自分の能力で会社をうまく運営できなければ、もっとストレスに感じるんじゃないでしょうか?でも僕が気を回すほど、必死に時間を投資して努力するほど、大丈夫だという自信があります。目標を達成するまでの過程はいつも大変ですが、僕がやっただけ周りの人たちに機会が生まれるということが嬉しくて、またそうやってお互いを信じられる存在になるというのがとても嬉しいです。
人が人を信じるというのはとても大事で不思議なことのような気がします。
とても大事です。会社で最も重要なのが人です。お互いを信頼し、配慮し、心から大切にする気持ち。当然ビジネスなのである程度ラインを守らなければいけませんが、単にビジネスだけではありません。代表であれ、従業員であれ、アーティストであれ、人間対人間としてお互いを尊重し大切にする必要があります。そのために、自分がするべきことはしっかりしなくてはならないわけで。
ミュージシャンパクジェボムの10年間を収めたYouTubeドキュメンタリー<Choosen One>が最近公開されました。YouTubeのアジア太平洋地域の総括がパクジェボムのドキュメンタリーで伝えたいメッセージが「表現の自由と愛」だと言っていましたが、これがまさにパクジェボムの人生なのではないかと思います。自由と愛。
ほとんどの人が僕の人生を耐えられないと思います。2〜3年死ぬ気で頑張ってもダメだったら力が抜けて勇気も消えてしまうじゃないですか。でもそういうときこそもっと頑張らなれけばならないんです。
もっとですか?わあ、だから私たちはパクジェボムではないんですね。
人それぞれ自分だけの道がありますからね。
ドキュメンタリーを制作した監督がこう言っていました。「人生が競争なら、遠くまで走り速く走ることも大事だが、転んだときに立ち上がることが一番大事だ。パクジェボムの人生がそうだ。パクジェボムは勇気がある人で、自分への信頼を持ち合わせている人だ。」自身が考えるパクジェボムという競走馬はどんな馬ですか?
誠実な馬ではないでしょうか?特別に僕が生まれつき優れている部分はありません。
いやいや、この程度なら十分に生まれ持ったと言えるでしょう。
僕の2010年の姿を見れば生まれ持ったわけではないと思います。
ドキュメンタリーで見たミュージシャンパクジェボムの10年で、一番記憶に残っていることは何ですか?
最近ニューヨークであれこれ活動したのが一番新鮮でした。実はかなりプレッシャーだったんです。僕に起こりえないことだと思っていましたから。
起こりえないことだと思っていたんですか?
当然ですよ。アメリカのオーディション番組を見て「うわあ、僕も出てみたい」「僕なんかがどうやって出られるんだ」って思っていましたよ?
「僕なんかが」と思うんですか?パクジェボムが?
この仕事をするにあたって初めから、全てのことに対して「僕なんかが」と思っていますよ。芸能人になりたかったわけでもありません。ラッパーたちがとても好きで趣味でラップを始めたので、「僕がどうやってラッパーになれるんだ」「僕がどうやって歌手になれるんだ」という考えでした。当時はこの仕事に対して情熱みたいなものもなかったし、この職業をするだろうとは到底思いもしませんでした。
アメリカ進出はいつからか思い描いているだろう、と当然のように考えていました。
全然です。でもこれはあります。理由は分かりませんが、小さい頃からどんなことでも甘く見たことはありません。「この程度なら出来るだろう」と思ったこともありません。
だからそうして死ぬ気で努力するんですか?
何でもやるならちゃんとやりたいんです。恥をかくのが嫌なので。
パクジェボムを否定する人たちに、自分が死ぬ気で頑張って努力しているのを知ってほしくはありませんでしたか?
知ってほしかったです。腹も立ちました。僕がこんなに努力しているのに分かってもらえず、その努力を軽く見られるのでもどかしくもありました。でも気にせず「いつかは分かるだろう」と思ってやってきたら、そろそろ韓国だけでなく世界でも、大なり小なり多くのところで知ってもらえているようです。
Roc Nationのパーティーに参加しJay Z、ビヨンセと並んで立っているパクジェボムの写真を見て不思議でした。歌謡界の歴史の一場面のようだけれど、合成写真のようでもある感じ。でも韓国ではRoc NationよりもSM、YGエンターテインメントの方が有名じゃないですか。Jay Zを知らない人も多いですし、Jay Zよりもその奥さんビヨンセの方が有名で。パクジェボムがRoc Nationに所属するアジア最初のミュージシャンとなりましたが韓国ではそれほど大きくスポットライトを当てられなかったのが残念でした。
だからドキュメンタリーを作りたかったというのもあります。僕がどんなことをしているのか、これがなぜ重要なのか知らせたくて。当然、パクジェボムとしてビルボード1位にはなれないだろうけど、アメリカのヒップホップ市場で東洋人ラッパーたちの姿を見ることが未だに難しい中で、それでも僕がこうして一生懸命活動しながら、僕なりに積み上がった壁を少しずつ壊している、ということを知ってもらいたかったです。僕の位置を夢見る人たちに、出来るという刺激とインスピレーションを与えたくて。
韓国ヒップホップシーンでは先頭走者ですが、アメリカではようやく始まるという段階で。なんだか中間がありませんね。
傲慢にならずにいられる理由がそれです。ある人たちは「わあ、レジェンド」「生きる伝説」と褒め称えたりしますが、僕がどんな活動をしているか知らない人たちは「ヒップホップしてるアイドルね」という風に見たりもします。それはその人の間違いではありません。その人は僕の細かい部分を知らないから、そうやって思うほかないじゃないですか。でも誰が僕のことをどう思おうが気にしません。僕が誰であるか、僕が一番よく分かっているので。
最近アメリカで「ゲームチェンジャー」賞を受賞しました。ゲームチェンジャーという言葉がとても良いですね。「局面を変える人」。ゲームチェンジャー賞を受賞したパクジェボムが最近参加したいと思っているゲームはどんなゲームですか?
ハンガーゲーム?(笑)参加したいゲームはありません。すでに今やっているゲーム、このフィールドがちょうどいいです。自分がしていることをしっかりやって、展開しているものは全て最後まで見守って、そうして人々が拍手を送っているときに去って行きたいです。
拍手が送られなかったら去れないですね?
そのときは頭を垂れながら去りますよ。「ああ、ピークは過ぎた」「パクジェボムも歳を取った」と思いながら。
ゲームチェンジャーに必要な資質は何でしょう?
挑戦する勇気。人が進まない道を進むというのは、他の人が見たときに見慣れない道だから、甘く見られることもあるだろうし、非難されることもあるだろうし、僕の選択を理解できないこともあると思います。周りに理解させて納得させるのに相当長い時間がかかります。だから勇気と根気が一番大事で必要なものだと思います。
パクジェボムは勇気と根気を兼ね備えているようですね?
そうですね。命をかけるくらいやっているのでこうなったんでしょう、簡単に達成したわけではないですよ。
しかしなぜあえて命をかけると言うのでしょう?命はひとつしかないのに。
言葉通りです。もし、会社を作ったのに倒産した。それは僕の命ではないですか?僕がこの多くの人を抱えて会社を作ったのに、駄目になった。僕のポケット、僕の通帳の中にある僕の財産を全て投資したのに、駄目になった。そしたら僕はどうなります?それからそのときに僕を信じて僕を頼りにしていた人たちはどうなります?だから命をかけているんです。
そうではない人もとても多いです。
そうですね。これは簡単に覚悟を決められるものではありません。事業を展開するときの目的が単純にお金であれば、心構えも弱く絶対に長く続きません。なぜかってお金は使ってしまったら終わりじゃないですか。それ以上の何かがあってこそ長続きするのであって、単純にお金の為ならばそれは長くは持ちません。
自分が変わらぬ信頼を見せれば人々の気持ちが変化することを知っているから、その経験のおかげで人に対する信頼があるんでしょう?
人に対する信頼があるからこうして出来るんでしょう。もし人を信じなれけば...あ、だからといってバカみたいに無条件に人を信じはしません。僕も選ぶところは選びますが、人に対する信頼と希望があるからこうしてやっているんです。僕の良い行動と心意気が伝染すればいいなという思いです。
他の人が進まない道を進むというのはどんな気分ですか?
面白いです。難しくて大変でもどかしいときもあるし、むかつくこともあるけれど、それが一気に吹き飛ぶくらいすごく嬉しいときもあります。自信は十分にありますが、どう転ぶか分からなくて時々とても不安になります。
不安を取り除く方法を模索中ですか?
不安なときはただやっていればいいです。(笑)世の中に不安だからと言ってやらなくていいことはありません。ただ自分を信じて試しにやってみよう、そうやって展開しています。失敗したらまたそこから学ぶわけで、それも発展していく過程じゃないですか。ダメだったらどうしようもないし、成功したら良いし。
こうして無鉄砲でいられるよう、パクジェボムがパクジェボムを信じている一面をひとつ挙げるとしたら何ですか?
ただ僕は僕を信じます。いつも信じています。
小さい頃から?
はい。僕が努力してダメだったことはないと思うのでずっとこうしてやっています。
2年前にインタビューしたときに記憶に残っているのが、自身がずっと上手くやっているということを見せているのに、周りの人だちが未だにパクジェボムさんの決定を信じることが出来ず疑われると言っていたことです。にも関わらず、それを切り崩して正しいと信じることをやり遂げるパクジェボムの推進力とは!
他の人よりも自分自身を信じます。だからといってその人たちが僕を無視するわけではなく、心配する気持ちからこれ以上広げないほうがいい、と言うんですよ。でも得意なことだけやって自分の活動に制約をかけるのはつまらないし、今以上に発展できないじゃないですか。だから僕が出来る限り、行けるところまでやってみようとしているんです。今は情熱と意欲が溢れている状態だけど、僕も人間だからいつかは疲れてしまうでしょう。「このステージのために、このゲームのために、ファンのためにこれだけやった」と言って、誰にも何にも気を遣わず「自分のために行きていこう」と去るんじゃないでしょうか?
今は楽しみながらバランスを上手く保っているみたいで良かったです。
バランスなんてのはありません。なるがままにやるんです。だから忙しくて大変です。僕がずっと何かしらやっているのにそれを振り返る時間がないから。
10年間前だけを見て走ってきていざ自分を振り返る時間がないというのに驚きました。
気づいたらこうして33歳になっていました。
思い描いていた33歳を生きていますか?
うーん、10年前は33歳の自分がどんな姿なのか全く分かりませんでした。今も思いつきません。
踊って歌っているだろう、その程度もですか?
はい。全く違うことをしていたかもしれません。
でも何をやっても上手くいっていたと思います。
上手くいくかは分かりませんが、何であれ一生懸命やります。
それが大事ですよ。
でも単に一生懸命やるだけではだめです。自分の分野をしっかり研究して把握して一生懸命やらなければ、単純に「一生懸命やれば上手くいくだろう」これは違います。自分がどんな努力をどう行えばここまで来れるのかを分からなければ、行先も分からず単に頑張るだけでは馬鹿みたいです。
いつもそうやって来たんではないんですか?
始めはそうでした。そのときはそれでもいいんです。始めはまあ無知じゃないですか。知っていることがないから、無理に追い込んで、そうやって少しずつ学んで、それからしっかり研究して、把握して、自分と同じ分野にいる人は何をどのようにやっているのか関心を持って知っていきながら、その分野の専門家にならなければなりません。
「自分がこの分野の専門家になったな」という思いはいつからですか?
2年前くらい?僕のキャリアと音楽を振り返ってみたらAOMGも、H1GHR MUSICも、僕が引き入れたアーティストたちも上手くいっていて、自分のキャリアも維持できていて。同時に、僕が少しずつ手堅い存在になっているなと感じました。
では今のパクジェボムさんにとって手堅い相手は誰ですか?Roc NationのJay Z代表?
みんな手堅いです。人を軽くみるのは馬鹿みたいな行為で、人を軽く見た瞬間終わりです。相手を1から100まで全て知っているわけでもないのに、無視したり甘く見たりするのは良くないです。シーンに出てきたばかりの人が来年にはDrakeになるかもしれませんし。それは誰にも分かりません。
そうですね。後輩から学ぶことも多くあります。
もちろんです。僕が他のミュージシャンとコラボレーションをたくさんする理由はそれです。
先月「俺以外みんな仲間外れだ。答える必要もない」このラップフレーズが出てくる曲を何度聴いたか分かりません。代理満足でものすごく強くなった気分になり、またどれほどスカッとしたか。
(手を叩いて大笑い)
だからこの歌詞を書いたときのパクジェボムさんの気持ちが気になりました。どうしてこんな戦闘力最大の歌詞を書くに至ったんですか?何かがパクジェボムを怒らせたんですか?
そういう意味ではなく、僕が一番出来ないやつだと思うときもあるけど、僕が一番出来るやつだと思うときもあるじゃないですか。特に気に入った相手の心を動かそうとするときや、誰かを説得しなければならないときほど自信が「満タン」でなくちゃなりませんよね。真面目さも大事だけど自信がなければ相手にされないじゃないですか。だから自信を持って話そう、というわけです。「俺以外みんな仲間外れだから、俺以外誰にも返事するな」という風に。
「アーティスト・パクジェボム」を第三者の立場から見たときに感じる興味深さは何ですか?
ずっと変化しているということ。ラップ、歌、僕の音楽スタイルは徐々に変化しています。最近の曲を聴けば9年前の曲とは全く違う人みたいです。だから聴く面白さがあるというか?短所は、あれこれやりすぎて特定のジャンルに秀でていないことです。こんな長所短所がありますが、僕と同じポジションの人がいないから長くやっていけています。
どうやら昔の曲をかなりきまり悪がっているようですが。
うーん、8年前の歌は本当に聴けそうにないです。そのときより今がはるかに上手いじゃないですか。
当時の方が上手な歌もあるんじゃないでしょうか?
絶対にないです。当時は歌詞も書けてなくて、発音も悪いとヒップホップシーンでどれだけ批判をされたことか。(笑)
CEOパクジェボムを高く評価する部分は?
ビジネスと人間関係を同等に見ていること?
それがどのようにして可能なんですか?
僕がそれだけ努力をして、それだけお金を稼いできたじゃないですか。だから可能なんです。
代表である自分が一生懸命やって一番多くの利益を得て来たから?
そうです。もし自分の稼ぎが従業員にかかっていたらそれは分かりません。自分の命、自分の人生が彼らにかかっているのに、「この人たちが一生懸命やらなかったらどうしよう」と思うかもしれないじゃないですか。でも僕の会社は僕も利益を出すアーティストなのでそのような状況ではありませんから。
33歳のパクジェボムだけを見たときにどんな姿が一番良く見えますか?
責任感が強いこと。だから信じるに値する人だということです。でもそれがとても疲れます。仕事が上手くいかなければみんな僕に解決策を求めるから。とても疲れますが、僕がそれに応えることが出来るので不満が生まれないんでしょう。それも恵まれていると思います。
パクジェボムでなくなりたいときはいつですか?
そういう考えはしません。それが不可能だと分かっているので。この質問は「僕が宇宙で暮らしたらどうするか」と似ていて、実際は宇宙で暮らすことが出来ないように、僕がパクジェボムなのにパクジェボムでなくなることは出来ないじゃないですか。
ポータルサイトで「パクジェボム」と検索するとこれまでの正規、非正規、フィーチャリングで参加したアルバム数が98個でした。それも韓国で発売されたアルバム基準で。デビュー10年になる今年、アルバム100の記録を軽く超えそうですね。特に今年は活動が盛んでしょう?
とても可笑しいのが、毎年「うわ、今年も本当に忙しい。来年はちょっと休もう」と思っているのに不思議とずっと忙しいんです。休めない仕事がずっと出てくるから。Roc Nationに入ったのに、AOMGでバラエティ番組<Sign Here>を制作しているのに、僕がどうして休めますか。そうじゃないですか?7月のソウルコンサートを皮切りにアメリカ、ヨーロッパ、アジアとワールドツアーもします。それからアルバムもいくつか出るだろうし、フェスティバルもあって、今年もあれこれたくさんやります。
今回の<The Road Less Traveled>アルバムは17曲に及びます。韓国で発売するものですが17曲全て英語で書かれたラップアルバムですね。
僕のアルバムのうち全曲ヒップホップで構成されたアルバムがなかったんですよ。でも今回のアルバムでは大衆の反応は期待していません。
大衆の反応を自身がどうやって分かるんですか?
10年間活動しているし、レーベルもいくつか運営している人間として、どんな曲が大衆受けするかしないかは分かりますよ。今回のアルバムは自分を証明するアルバムです。いつも大衆の反応ばかり気を遣う必要はないという、自分自身にもそうだし、このシーンにいる人たちにとって刺激と希望を与えたいアルバムです。
パクジェボムが進む道にあえて置きたい障害物は何ですか?
障害物を必ず置かなければなりませんか?障害物は無理に自分で置かなくても生じるものじゃないでしょうか?人生の峠は誰にでもあるじゃないですか。恋愛をするにおいても、仕事をするにおいても、生きていくうえで僕たちが乗り越えなければならない峠はいつも出てきます。
本もあまり読まないと言うのにどうしてそんな言葉が出てくるんだろう?
こんなことは生きていれば分かるじゃないですか。人がどうやって花道だけ歩けますか?それは馬鹿みたいな考えです。花道だけ歩こうというのは、<ジャングルの法則>のように洞窟みたいなところに行って一人で生きること、それだけです。世の中の全てのことを気にせず生きれたら花道だけ歩けるでしょう。でもそうじゃない以上、花道だけ歩くことは出来ません。
ミュージシャン・ジョンギゴさんが最近「僕たちはパクジェボム時代を生きている」というコメントを残しました。私たちはパクジェボム時代を生きていると思いますか?
(手を叩いて大笑い)いいえ、違うと思います。自分の地位は確立したと感じますが、僕の時代と言うのは大げさです。
では作っていきたいパクジェボム時代は?
少女時代?(笑)冗談です。ただ何事も共にしたいです。つまりパクジェボム時代は...共にする時代?
どうすればパクジェボムの同僚になれますか?
自分の分野で真価を見せればいいです。どの分野であれ真面目に一生懸命やっていれば、いつか会うことになると思います。本当に不思議だけどそういう人たち同士はどうしても出会うことになります。
共にしたい人はどんな人ですか?
今、共にしている人たち。良い人たち。
良い人とはどんな人ですか?
心構えが健康な人。周りにいる人たちがそうです。世の中に全てが完璧な人はいませんが、みんな優しいです。
またジェボムさんがその人たちを良い人にしているかもしれません。
そうであれば嬉しいです。反対に、その人たちのおかげで僕も良い人になっていて。お互い良い人になれるようにするのが本当の友達ですよね。
入ってきてくれたらと思う興味のある仕事はなんですか?
仕事はもうこれ以上入らないでくれたら嬉しいです。広げた仕事がありすぎて、今やっていることで十分です。
今日の話の中で本当に良い部分がひとつあったんですが。
え?ひとつしかなかったんですか?(笑)
〈終〉