DMZ PEACE TRAIN MUSIC FESTIVAL 2019【フェスレポ】
韓国ライブ(フェス)レポ第二弾!!
行ってきたのはこれです。↓
DMZ PEACE TRAIN MUSIC FESTIVAL 2019
@江原道鉄原孤石亭(カンウォンドチョロンコソクチョン)
6月7〜9日の3日間開催*1されていたうちの、6月8日の1日だけ行ってきました!
(チケットに関してや、会場までの移動手段なども下に書いてますのでよかったら見てみてください。来年以降参加したい方の参考になれば・・・)
DMZ PEACE TRAIN MUSIC FESTIVAL、略してDMZ PTMF。
去年から始まったばかりの新しいフェスのようです。
今年のラインナップとタイムテーブルはこんな感じでした。
見て分かる通り、韓国アーティストだけでなく様々な国のアーティストがいます。出演者も、観客も、多様な国籍の人が集まるのは文化交流になって良いなと思います。
私は今回HYUKOHが出演するということでこのフェスの存在を知ったのですが、フェスの開催趣旨がとても素敵でした。(以下HPより抜粋)
피스트레인은
음악을 통해 평화를 경험하는,
동시대 평화를 탐색하고 발견하는,
비상업적이지만 대중친화적인 뮤직 페스티벌입니다.
ピーストレインは
音楽を通して平和を体験し、
現代の平和を探索し発見する、
非商業的だけれども大衆親和的な音楽フェスティバルです。
피스트레인은 전 세계 유일한 분단국가 한국 강원도 철원 DMZ 일원에서 개최되는 평화를 노래하는 음악 페스티벌입니다.
일년에 단 5일, 피스트레인에서 만큼은 “음악을 통해 정치, 경제, 이념을 초월하고 자유와 평화를 경험하자” 라는 취지로 만들어졌습니다.
피스트레인은 우리가 살아가며 무관심하고 무감각해질 수 있는 것들을 문화를 통해 지속적으로 재발견하고자 하며, 자유, 평화, 인권, 관용 등
의 가치가 미래세대에 지속되기를 바랍니다.
ピーストレインは全世界で唯一の分断国家、韓国江原道鉄原に位置するDMZ一帯で開催される、平和を歌う音楽フェスティバルです。
1年に5日*1、ピーストレインでくらいは「音楽を通して政治、経済、理念を超越し、自由と平和を体験しよう」という趣旨のもと作られました。
ピーストレインは、私たちが生きていく中で無関心、無感覚になり得る事柄について、文化を通して持続的に再発見しようとし、自由、平和、人権、慣用などの価値が未来の世代に繋がっていくことを願います。
要するにDMZ PTMFは、音楽(文化)を通して、平和(や、その他日常生活の中で考える機会が少ない社会的な問題)について再び考えるきっかけを与えようとしてくれているフェスティバルなんですね。どうですか?素敵じゃないですか?
*1 ソウルで開催されたカンファレンスなどを含めると6月5〜9日の5日間での開催です。
チケットは、非商業的と謳っているだけあり、なんと無料です。
無料なのですが、予約金制で、チケットの予約をする際に指定の金額を予約金という形で支払う必要があります。
ただ、当日チケットとリストバンドを引き換える際にその予約金の金額分の商品券が貰えて、その商品券は鉄原(チョロン)にあるお店で使うことが出来ます。会場内のフードブースでも使用可でした!なんとも嬉しい。
なので一旦予約金という形でお金は払うけれども、当日商品券として同じ金額分の金券が貰えるので、結果的には無料なのです。
チケットの種類はたしか1day passと3days passの2種類があり、それぞれ10,000ウォン、20,000ウォンでした。日本円で約1,000円、2,000円ですね。
私は当日、会場内のフードブースでお昼ご飯を買うのに商品券を使用しました。
(そういえばラインナップが発表される前に販売されるブラインドチケットもあった気がするのですが詳細は覚えてません;)
チケット予約に関して詳しいことは忘れてしまったのですが(こちらもすみません)、外国人はたしかeventbrite(https://www.eventbrite.com/)というサイトを通して予約します。この時点ではまだお金は払いません。当日、会場入口にチケット引き換えブースがあるので、外国人用のブースに行ってその場で代金を支払い、リストバンドと商品券を受け取ります。
鉄原(チョロン)の住民と軍人は身分証を見せれば予約なしでも入場出来るとかなんとか。地域密着型な感じでとてもいいですね。
それから開催地である鉄原孤石亭(チョロンコソクチョン)は、ソウルからかなり離れた場所に位置しています。車があれば車で行くのも一つの手ですが、外国人であり旅行者の身として行く私は車はもちろん選択肢にありません。シャトルバスを使って鉄原まで行きました。
꽃가마コッカマ(https://www.ggoggama.com/program/view/243)という、イベントに合わせて様々な場所で運行しているシャトルバスがあります。今回のDMZ PTMF用にもシャトルバスが用意されていたので、それを利用しました!首都圏からの出発だけでなく、地方からの運行もあったみたいです。便利ですね。
バスの予約はサイトからするのですが、予約と同時にオンライン決済をしなければなりません。サイトの会員登録までしていざ予約→決済しようと思ったら、決済で使える海外カードは銀聯カードくらいしかなく(泣)使えるカードがない外国人は一体どうすりゃいいんだ(怒)と思っていたら、「外国人はメールで予約をしてください」としっかり記載がありました。英語で。ちゃんと見てなかった私が悪いですね・・・。しかし分かりにくい。
そんなこんなで無事メールにて予約を済ませました。
「これであなたはシャトルバスに乗車出来ます。代金は会場のブースで支払ってください。そうすれば帰りのバスにも乗車出来ます」とのことでした。
首都圏の合井(ハプチョン)からの往復バスを利用し、値段は31,000ウォン。行きは2時間半くらい、帰りは1時間半くらいで到着しました。
ではいよいよ会場の様子を紹介していこうと思います〜!
まず会場マップはこちら。
ライブ用のPEACEステージとPLAYステージがあり、両ステージの間にDJブース用のSCRステージ、そしてフードブースとグッズを売っているブースがありました。
↑PLAYステージ
↑PEACEステージ(全体像を1枚も撮ってませんでした・・・)
こうして見るとステージの大きさは大差ないように見えますね。
2つのステージの差は、観客の収容スペースの差なのかな?と思います。
ちなみに観覧スペースの前方がスタンディングゾーン、後方がシートゾーンと別れていました。立って楽しむも良し、座ってのんびり楽しむも良しです。小さいテント張ってる人たちもちらほらいましたね。テント快適そうでいいなあ。(笑)
↑SCRステージ。少し見づらいですが奥にDJブースがあり、DJブースの正面に噴水があります。子どもたちが噴水のところで水遊びして駆け回っている姿がとても微笑ましかったです^^
↑フードブース(またもや全体的な写真がありません・・・)
上の写真は私がお昼を買った店です。
こういった出店形式でフードを提供しているところもあれば、普通に店内で座って食べられるお店もいくつかありました。会場内には椅子とテーブルがけっこう用意されていたので、出店で買って外で食べるのにも問題はありませんでした。
あとはセブンイレブンだったかな?コンビニもあったので、私は飲み物なんかはそっちで買ってました。
セットで10,000ウォン。スンデ、天ぷら、トッポギ。
けっこう量が多くて食べきれず・・・もったいない(泣)
でも夕方にはまた少しお腹が空いたので소떡という、ソーセージと餅の串揚げ?を食べました。フェスに来て楽しみなことの一つは、こういったフェス飯を食べることです。ご飯のこと考えるとわくわくしますよね。日本のフェス飯とは全く違う、ザ・韓国って感じのご飯のラインナップで何を食べようか迷っちゃいました。
では軽くライブの感想を・・・
Lucie,too
日本からのアーティストです。女性3人組のガールズバンドで、ボーカルがとてもかわいらしい声です。私はDMZ PTMFの2週間くらい前に日本で開催されていた下北沢サウンドクルージングで初めて観た(聴いた)のですが、ノリやすく爽やかなメロディーが多くて野外で聴いても気持ちのいいバンドでした!
MCは英語と韓国語で喋る場面があり、韓国語で喋った時のほうがお客さんの反応が大きくて、(分かるよその気持ち、、、!)ってなりました(笑)海外アーティストが自国の言葉を勉強してきて喋ってくれたら嬉しいものですよね〜。
Mongooz and the Magnet
ハンガリーのアーティストです。音を聴かせる系のバンドという印象でした。全くの初見でしたがかっこよくて(音楽も見た目も←)、自然と笑顔で体を揺らしていましたね^^(笑)フェスに来て楽しみなこと、新たな音楽に出会えること。
JANNABI
(今回のフェスの少し前にちょっとした騒動があり、出演がキャンセルになるかも?と心配していたのですが大丈夫でしたね。メンバーは一人減ってしまいましたが・・・)
最近観ていたドラマのOSTでJANNABIの曲が使われていたのをきっかけに他の曲も聴いたりして、ライブで観るのを楽しみにしていました。音源で聴いていると、けっこうしっとりした曲も多いので穏やかなライブなのかなーと思っていたのですが、実際ライブで観てみると意外とパワフルで!盛り上がりました!フェスだからそういう曲メインでセットリスト組んでくれたのかな。ボーカルジョンフンさんのちょい長めの髪、汗で張り付くシャツ、緩めたネクタイ、汗ばんだ顔、絶妙な色気、抜群の歌唱力!いや〜良かった。
SULTAN OF THE DISCO
こちらも完全に初めてです。メンバーにダンス担当(?)の人がいて、踊れて楽しいバンドだよと友人に聞いていた通り、演奏が始まると同時に客席はまさにダンスフロア状態。 見よう見まねで振りを真似ようとするも私には難易度が高すぎました(笑)でも楽しそうに踊っているファンの人たちを見てこちらまでとても楽しかったです。あれ、しっかり覚えていって一緒に踊ったらもっと楽しめるんだろうなあ。ずっと「퇴사」と書かれたフラッグが気になっていたのですがどうやらスルタンの曲に関連した単語のようです。
このフラッグ文化、今まで行ったことのある日本のフェスでは見たことなかったので新鮮でした。 なんだかお祭りみたいで気分上がりますね!
HYUKOH
この日一番の目当て、ヒョゴ!PEACEステージのトリでした。
田舎だからか、夜になると照明に集まる虫の数が半端なくてライトで照らされる虫の大群を見るたびぞっとしましたね。ステージで演奏しているメンバー大変だっただろうな・・・お疲れ様です。
=セトリ=
1.하늘나라 SkyWorkd
2.위잉위잉 Wi Ing Wi Ing
3.Graduation
4.2002WorldCup
5.万里 Wanli
6.맛있는술
7.Citizen Kane
8.Goodbye Seoul
9.Gang Gang Schiele
10.TOMBOY
11.LOVE YA!
(en)
12.Settled Down
フェスにしては尺が長く、こんなにたくさん曲が聴けてもう大大大満足です(T_T)!!
どことなくおとぎ話のBGMぽい雰囲気のSky Worldでヒョゴワールドに誘われ、「(ステージに)虫がたくさんいるんですよ。虫を連想させる曲をやります」と言って始まったウィンウィン。ウィンウィン〜ってみんなで歌う部分いいですよね。
ライブ中盤は、何かが迫ってくるような音と赤一色で包まれたステージが目を引く万里、その長いアウトロに浸る間もなく畳み掛けるようにギターをかき鳴らしてガンガン音を聴かせてくる맛있는술、カラフルなライティングが印象的でリズミカルなCitizen Kane。
私この3曲の流れがめっちゃ好きなんですけど、誰か分かりますか?分かりますよね?
ヒョゴのライブを観るのはワンマン・フェス合わせて今回が4回目なんですが、4回ともこの3曲は毎回セットで演奏されてまして。初めて生でヒョゴを観たときからいつもここで圧倒されて息を呑ん・・・いや、感嘆のため息が出ちゃいます。本当にこの流れ芸術的です。たまりません。ああ最高。
でも今回、何よりもここで聴けて良かったのはGang Gang Schiele。
MCでは、この歌が収録されているアルバムを制作しているときベルリンにいて、ちょうどその間(2018年4月)に例の南北首脳会談が行われた、と。この歌は「謝罪」についての歌だと言っていました。その歌を、平和を祈念するこのフェスで、この場所で聴けたことは、とても意味のあることだと思うのです。この曲はほぼ全て英語歌詞なのですが、その中で'ME-AN(미안)(ごめん)'と'정말 미안합니다(本当にごめんなさい)'というフレーズだけは韓国語のまま歌われていて、フェスでこの部分をみんなで合唱するのを聴いて、その場に居る、一緒に歌った人々みんなが愛おしく感じられました。その後のTOMBOY、LOVE YA!でも大合唱部分があるのですが、みんなで同じ音楽を聴いて、気持ちを共有した、あの温かい空気感(ヒョゴの音楽に限った話ではないですが)、それこそが私がDMZ PTMFで体験したかけがえのない平和なのだと思います。
アンコールでは、私がライブで聴きたかったSettled Downをやってくれて、念願が叶いました!嬉しいいいいい!かっこよかったああああああ!また聴きたいいいいい!
終わってほしくないと思っても、楽しい時間が過ぎるのはあっという間ですね(T_T)
昼過ぎにコソクチョンに到着して幕を開けた私のDMZ PTMFも、ヒョゴの演奏が終わると同時に幕を閉じました。23:50、幸福な満足感と少しばかりの疲労感、平和を願う気持ちと改めて感じた音楽への愛情を胸に、シャトルバスに揺られながら現実世界への帰路へ着く私でありました。ラブアンドピース。
〈完〉
〜おまけ〜
会場の裏手に出るとこんな雄大な自然が鑑賞できます。
PLAYステージのすぐ横にあるコソクチョンランドという遊園地。
券を買えば遊具で遊ぶことも可能です。
来年も行けたらいいな。