風の歌を聴きながら

韓国語レベル万年中級者の気まぐれ翻訳ブログ。

JAY PARK パクジェボム インタビュー(GQ Korea)【和訳】

박재범 "섹시한 건 자신감의 문제죠" | 지큐 코리아 (GQ Korea)

2019.07.24

 

パクジェボム「セクシーなのは自信の問題です」

パクジェボムは自分のことをよく分かっている。彼の話はこの文章から始まる。

 

 

初のワールドツアーをソウルからスタートした気持ちはどうですか?

僕のベースがソウルなのでここから始めたいと思っていました。10年くらい活動してきたのでやるときがきたかなと。

 

ツアーのタイトルが「SEXY 4EVA WORLD TOUR」です。「SEXY 4EVA」は昨年出した曲のタイトルでもあります。パクジェボムにとってセクシーさとはなんですか?

僕にとってセクシーさというのは、自分が望む姿を想像します。僕はこういう人だと信じて活動します。そうすると他の人も最初はそう思っていなかったとしても、最終的には僕をそういう風に見ます。だからセクシーさというのは自信の問題です。

 

今までそういう風にやってきたのですか?

はい。僕は自分がどんな人間なのか気づきました。他の人たちに疑われても、他人に合わせずに自分なりに活動してきました。始めは無視していた人たちも、今や僕が思い描いていた通りの僕の姿を見ています。僕が僕を信じなかったら誰が信じてくれますか?

 

ドキュメンタリー<Jay Park:Chosen1>にはパクジェボムの歴史が全て詰まっていますが、なぜ <Jay Park:Chosen1>なのですか?

なんだかすごく「ナルシスト」っぽくないですか?僕は他のタイトルにしようとしました。本当です。僕はみんな選ばれた人だと思います。才能がある人は本当に多いです。僕は何かがずば抜けて秀でている人ではないじゃないですか。ただ覚悟を決めて求めるもののためにどれだけ犠牲にしたか、それが違うんです。

 

ドキュメンタリー内で9年前「Nothing on you」を明るく歌っている映像を見ましたが、時間が経つのは本当に早いなと思いました。

あれがパクジェボムの始まりでした。あの時は全てが淡白でしたね。

 

今考えるとどうしてこんな人をアイドルグループに入れたのだろうと思います。

僕も不思議です。

 

アメリカに帰ったとき、働いていたタイヤショップに訪問していましたがどんな気分でしたか? 

嬉しかったですね。当時もタイヤショップで働くことに対して大した考えもありませんでした。

 

当時のパクジェボムはかなり楽天的な人だと思いました。憂鬱だったらそこで働くのは無理だったでしょう。

正直、本当に憂鬱だったら死ぬこともできました。それくらい大きな出来事でした。でも僕はただお金を稼ぎながら、これから何をするか探さなきゃいけないなという思いでした。人生のうちの一つの出来事に過ぎず、時間がすぎれば大丈夫になるだろうと。僕が人の言葉を気にする人だったらあの時期は相当苦しかっただろうと思います。今のこの場所にもいなかっただろうし。

 

その後のパクジェボムは休まずに奔走してきました。その時その時に必要な能力値を埋め、各方面で自身を証明してきました。ラッパーとして、R&B歌手として、会社の設立者かつ代表者として。

僕はどんなシーンにいようとそこで認めてもらうために最善を尽くしました。どれか一つが飛び抜けて秀でているわけではないけれど、色々なことを出来るのが僕の強みだということに気づきました。僕はいろいろ飛び込んでみる人です。あれこれ試してみてダメだったことも多いけど、上手くいったことも多いです。

 

失敗したこともあるんですか?

たくさんありますよ。アルバムだって全部は上手くいってませんから。

 

最近発売した<The Road Less Traveld>は韓国語の歌詞がほとんどない、かなり重いヒップホップトラックで構成されていますよね。大衆に向けたアルバムではないように感じました。

大衆に向けたアルバムではないですね。ヒップホップ文化とシアトルに向けたアルバムです。シアトルの友達たちを参加させてあげたかったし、英語でちゃんとしたヒップホップをしてみたかったんです。僕にとっては誇らしい作業でした。

 

故郷であるシアトルはあなたにとってどのような場所ですか?

僕を作ってくれた場所です。生まれ育った場所じゃないですか。友達、親戚、ビーボーイングクルー、学生のときに活動していたヒップホップサークルもそこにあります。ヒップホップには出身地と同僚を大事にする共同体文化があります。シアトルはヒップホップシーンが活発ではないので、そこにいる友達たちに機会をあげたかったです。

 

アメリカに住んでいるアジア人としてビーボーイング、ヒップホップ文化を楽しむのに限界はありませんでしたか?

そういうことをたくさん言われました。「アジア人がなんでバスケをするんだ」「帰って数学の勉強でもしな」とか、そういう感じ。でも僕はそういう奴ではありませんでした。

 

10代のときに初めて来たソウルはどうでしたか?

韓国に一人で来てみたら今度は僕がアメリカ人なんですよ。「ヤンキー野郎」って言われたり、韓国語が出来ないってからかわれたり。寂しかったですね。でも結局僕のアイデンティティを完成させてくれた場所はソウルです。今はソウルのほうがアメリカよりも気が楽です。一番好きなお酒もソジュですし。

 

「アジアンはヒップホップと不釣り合い」「韓国アイドルはこういう姿じゃないとダメだ」みたいな偏見とずっと戦ってきたのがパクジェボムの人生だったんだなと思います。

僕は断定するのが嫌いです。アイドルはこうでなきゃいけない、ラッパーはこうするべきだ、アジア人はこうあるべきだ、そんなのがどこにあります?人によって違いますよね。今は僕が長いこと活動してきたから、パクジェボムは食傷気味だという偏見もあるでしょう。僕が引退するときまで向かい合わないといけないでしょう。他人が僕に対してどんな偏見を持っていようと、僕は他の人に合わせるために自分の姿勢を変えません。僕は僕なりに、人々を僕のところに集めてきました。

 

100人を超える国内外のアーティストとコラボしてきましたね。多くの人がパクジェボムを尋ねる理由は何でしょうか?

200人は超えていると思います。理由は、うーん、してあげるから?僕は偉そうに振る舞いません。若かったりデビューが遅いからと言って自分より下だとも思いません。みんな同じ人間じゃないですか?それから上手い人を見つけたら自分から連絡して良いね、と表現します。 

 

AOMG、H1GHR MUSICレコーズのトップでもあります。パクジェボムはある意味、パクジェボムを必要とする人々の中で自身の存在を探す人のようです。

結局僕を動かすのは人です。みんながよく稼いでよく暮らさなくちゃ、一人で暮らすことにどんな意味があるでしょう?みんなが僕を必要として、力を貸して、彼らが成功することに幸せを感じます。ヒップホップはコミュニティじゃないですか。僕はヒップホップを通して多くのことを得ました。こうして<GQ>にも出て、僕を始めとして多くの人が稼いで暮らして、僕ももらった分だけこのコミュニティーに恩返しするのが自分の役割だと思っています。

 

生まれ持ったボス気質があるのでしょうか。

僕はボスではありません。ボスは会社が成功することを望みますが人が成功することは望みません。僕はボスと言うよりもただの人。会社よりもそこにいる人たちをもっと大事にします。

 

周りに人が多くてもいつも忙しいじゃないですか。寂しさも感じますか?

うーん、僕がいる位置で感じるプレッシャー、 この気持ちを共有できる人がいないから、たまに一人でいるように感じます。

 

スランプはありませんでしたか?

今です。正直少し疲れてしまいました。僕はその年の2月には1年間のスケジュールが全て決まります。今日の撮影が終わっても別のスケジュールがあるし、海外を回っていたらすぐ2020年になるでしょう?

 

どうやって自身を奮い立たせて働いていますか?

いつか引退するときのことを考えながら。はは。すぐにするというわけではありませんが、冗談でもありません。やりたいことはほとんど全てやったし、一生懸命誠実に最善を全て尽くしてきたから。

 

引退したら何をするつもりですか?

心持ちを変えたいです。芸能人を引退して、制作者として活動するとか、裏方に参加するとか、そういう風に過ごしたいです。僕は今も、自分がやっているのは音楽であって、芸能人が職業だとは思っていません。僕は他人が僕を軽く見て軽く考えるのが嫌です。僕が芸能人だという理由で、あたかも僕が人ではないかのように話されるのが。

 

人ではないかのように?

はい。人はいつもかっこよくいられるわけではないじゃないですか。人間なので。完璧な人はいません。完璧である必要もないです。醜いときも、悲しいときも、怒るときもありますよね。僕はみんなが僕を人間として見てくれたら嬉しいです。

 

多くのことを成し遂げたパクジェボムが、未だに手に入れられないものがあるとしたら何ですか?

僕にないものですか?たくさんですよ。まずは身長。それから言葉通り、大成功したものがありません。最善を尽くして一生懸命音楽をやってきましたが、メガヒットしたと言えるような瞬間はないですね。

 

昨年と一昨年に賞を総嘗めしておいてそのようなことを。

はは。だけどまあ、満足しています。10年間少しずつ積み重ねながら上がってきたこと。手に入れられないものよりも得たものの方が多いです。

 

得たものの中で一番誇らしいものは何ですか?

魂。全く汚されなかったというわけではなく、少なくとも今はまだ持っているということです。お金と有名税のために僕自身を貶めたりはしなかったから。魂を売りはしなかったから。

 

ウィルスミスの昔のインタビューを見たのですが、彼がラップで悪口を書かない理由は、誠実で賢い人は自分の考えをかっこよく表現するのにそういった言葉を使う必要がないからだそうです。パクジェボムがヒップホップで重要視しているものはなんですか?

自分の発言に責任を持つこと。ヒップホップという文化を尊重することです。金稼ぎの手段として考えたり、ぞんざいな言葉を使ってもいいジャンルだと考えて何でもかんでも発言したらダメです。自分のラップに責任を持つべきです。

 

20歳くらいのインタビューで飛行機に乗るのが怖いと言っていたことがありますね。

僕は今でも怖いです。

 

今もですか?頻繁にアメリカを行き来しているのに? 

前よりははるかにマシになりましたが空にいるということ自体が不安です。

 

この話をしたら恥ずかしがると思って投げかけた質問でしたが意外な答え。

そういう部分は変わらないみたいですね。

 

パクジェボムの魂が変わらないようにですか? 

はい。まだ僕が魂を持っているように。うーん、100%きれいではなくとも、です。はは。

 

 

<終>