風の歌を聴きながら

韓国語レベル万年中級者の気まぐれ翻訳ブログ。

HYUKOH ヒョゴ インタビュー(TIME OUT KOREA) 【和訳】

 

밴드 혁오 인터뷰 | 타임아웃 서울

2015.05.14

 

Q&A:バンドヒョゴ(Hyukoh)

昨年9月にデビューしたヒョゴは今年初めて、そして最も多くフェスに出演する。

(ギタリスト・イムヒョンジェ、ベーシスト・イムドンゴン、ボーカル・オヒョク、ドラマー・イイヌ)

 

 人が押し寄せ公演会場に入場できない観客が発生し、SNSには「彼らを見るために釜山から来た」という熱狂的なファンの証言(?)が上がっている。海外アーティスト(Mac DeMarco、Erlend Oye、How to Dress Well)の韓国公演のオープニングアクトを務め、最近は「ユヒヨルのスケッチブック」で地上波の舞台にまで上がった。全てがわずか1年の間に起こったこと。彼らがインディペンデント(independent)シーンに基づくバンドという点を考えると、このような功績には驚かされる。新しいEPアルバム「22」リリースと初フェスステージを目前にした彼らの話。

 

 ソウルで今最もアツいバンドだ。そんなワードを聞いたことはないか。

イムヒョンジェ:誰かが直接「アツい」と言ってくれたことは初めてです。(笑)

ムドンゴン:実はよく分からない。僕たちを見に、会場にたくさんの人が来ているときに少し感じる。

 

今年のフェスのラインナップのうち最多出演が「ヒョゴ」だというのを見れば分かるのではないか。フェス出演は初めてだと把握している。

オヒョク:そうだ。現時点で確定しているのは3つ。5月は「ソウルジャズフェスティバル」、6月は「レインボーアイルランドフェスティバル」、7月は「安山Mバレーフェスティバル」のステージに立つ。楽しみだ。

 

初フェスだ。準備はうまくいっているか?

オヒョク:僕たちのバンドは演奏をおろそかにするとライブがだめになるというジンクスがある。とりあえず一生懸命準備して上手くやるのが目標だ。

イムヒョンジェ:この間リリースしたEPアルバムの中で、ライブのときに一つの世界観を見せられる曲がある。

イイヌ:シングル「Panda Bear」のように明るい雰囲気の曲だが、そういう曲を中心にライブをする予定だ。

 

28日にEPアルバム「22」が出た。

オヒョク:全6曲で、「Comes and goes」という曲がタイトル曲だ。幼い頃に友達とした鬼ごっこ系の遊びのうちの一つだが、その遊びをモチーフに曲を作った。

 

アルバムコンセプトは何?

オヒョク:特にない。テーマを決めてアルバムを作るスタイルではない。演奏をしたり録音をするうちに曲が生まれる。そのたびにお互いフィードバックをやり取りして作業をし、そうやって自然に出来た曲を選び出して今回のアルバムを作った。

 

前回のEPとシングルの次に、フルアルバムではなくまたEPアルバムを出した。理由があるのか?

オヒョク:国内音源市場の流れがとても速い。初EPを出した後、曲がもったいないと思った。何年もかけてがんばって作った曲なのに、いざ出してもシングルにも及ばない波及効果だったから、今回もう一回EPを出しておきたかった。このEPを通して僕たちが音楽的に充実すれば、より完成度の高いフルアルバムを出せるだろうと思った。

 

フルアルバムの計画中?作業量が多い方のようだ。

オヒョク:趣味があまりないので、他のことにあまり時間を割かない。バンドをする前も趣味が音楽を作ることだったので、これが「仕事」になってからも同じように生きている。集まって音楽を作るのが遊びだ。

 

趣味が仕事になると疲れたり嫌になったりするものではないか。

イイヌ:今はまだ音楽的にやる仕事が全部良い。ステージも好きだし。

オヒョク:実際は僕たちはまだその段階ではないと思っている。そんな状況が来ることを想像してはみたが、ひとまずの結論はこうだ。何かを情熱だけでやるには限界がある。でも僕は死ぬまでこれをやりたい。そうするには結局自ら発展しなければならない、と考えた。方向性や内容、どんな面であれ研究して音楽を作って。良いフィードバックが来たらそこで満足感を得る。死ぬまで音楽をしようと思ったらそうするべきではないか。

 

バンドヒョゴはアートワークやミュージックビデオ、メンバーのスタイリングまでビジュアル的な要素が興味深いバンドだ。今回のアルバムではどんなビジュアルを見せるつもりか?

オヒョク:まず映像が3作出る。ミュージックビデオが2作と、ライブ映像を1作準備して、アルバムアートワークは前回のEPを任せたデザイナーネモナン(Nemonan)と一緒に行った。前回のEPのアートワークを広げ、今回のEPの横に置くと絵が繋がるシリーズ作品だ。今回は特別に版画形式で制作したポスターも限定版として販売する予定だ。

 

そのような些細な部分にまでもバンドの存在感が感じられる。サウンドもやはり既存のバンドとは違う存在感を持っている。

イムヒョンジェ:僕たちがベースにしているのはバンドサウンドだが、ボーカルにはR&Bやソウルの雰囲気もある。それに楽器も倣っていると考えている。ボーカルが全体的なサウンドに与える影響は大きい。

オヒョク:ドンゴンはハードロック音楽をしていたし、ヒョンジェはソウルを、イヌはヒップホップジャンルが好きだ。僕もまた珍しいものは全部やってみた。そんな趣向がやはりサウンドに影響を及ぼしていると思う。

 

ヒョゴの音楽について「無国籍音楽」と言ったりもするが。

オヒョク:そういうのが良い。バンドの色を持つことは大事だが、トーンとムードが一定なのはつまらない。僕は中国で20年間暮らしてきたし、メンバーみんなバンド活動が初めてなので国内バンドシーンについての理解が乏しい。だからサウンドやアプローチの仕方が一味違ったのかなとも思う。

 

地上波の番組にも出演し、海外ミュージシャンの来韓公演のオープニングアクトも務め、国内の主要フェスのステージにも立つ。他に叶えたい目標はあるか?

オヒョク:まだまだたくさんある。

ムドンゴン:突き詰めれば僕たちがしたことと言えばアルバムを1枚出したことが全部だ。まだ始まりに過ぎない。今のようにずっと一緒に音楽をしていたい。

イムヒョンジェ:僕は海外のロックフェスティバルに出たい。

イイヌ:僕も!「Coachella」や「Glastonbury Festival」のような場所でライブをして人と交流したい。

 

今年の夏のフェス公演を成功させればそのうちそのような機会がくるのではないだろうか?

オヒョク:そうなれば嬉しい。

イムヒョンジェ:楽しみだ。実際にフィードバックを一番ダイレクトにもらえる場所がステージだと思うので、観客の反応が気になる。そういう場所で発揮される僕たちのエネルギーも気になるし。

 

〈終〉