風の歌を聴きながら

韓国語レベル万年中級者の気まぐれ翻訳ブログ。

HYUKOH ヒョゴ インタビュー(KEYNOTE) 【和訳】

 

★혁오 <KEYNOTE 인터뷰>★ (단독취재) : 네이버 포스트

2018.05.31

 

ヒョゴの幸せ

ヒョゴが〈24:How to find true love and happiness〉EPで新たな扉を開いた。今日もぶつかって悩みながら。

 

 Q.ヒョゴも年齢について考えますか?

ドンゴン|僕は考えません。

オヒョク|もともとあんまり考えなかったけど、韓国に来てから考えるようになった気がします。僕がこの歳でうまくやっているのだろうかって。

 

Q.〈20〉と〈22〉EP、フルアルバム〈23〉に続いて、〈24:How to find true love and happiness〉というタイトルのEPを出しました。毎回その数字と同じ歳にその音源を出しているわけではありません。果たしてこの数字は本当に年齢を意味しているのだろうか?と考えさせられましたよ。

オヒョク|代替的にアルバムをパーソナライズする傾向があるんです。後で振り返った時に僕たちがこうだったなあ、という日記の役割をしてくれるよう願いました。数字が。

 

Q.韓国年齢でメンバー4人とも25歳。25歳のヒョゴはどうですか?

ヒョンジェ|まだ見るに値すると思います。

 

Q.まだかっこよさが出ているということですか?

ヒョンジェ|そうです。僕が考えるかっこいい人は、自分がしたいことをしている人です。結果物がどうあれその選択自体がかっこいいんです。だから僕たちはまだかっこいいと思っています。

イヌ|ようやく自分たちが表現したいことを上手く表現する方法が分かってきました。

 

Q.前作「TOMBOY」では「僕は今 幸せだ だから不安だ」と歌いましたね。今もそうですか?

オヒョク|実はそれを書いたときもそこまで幸せではありませんでした。幸せについて整理した内容があまりなくて、かけらを集める感じで書いた歌詞なんですが、僕は幸せだと不安になるんです。僕が幸せでもいいのか、この幸せがどのくらい続くのかって。

ドンゴン|僕はそんな考えをするタイプではありません。そのときそのときで気分が良ければ良くて。だいたい余裕があれば幸せです。焦ると中途半端に流れていく感じというか。

 

Q.〈20〉発売当時と比べてみるとどうですか?

オヒョク|幸福度はそのときの方が高かったです。何が何だかよく分かっていなかったから。今は物質的なものを始めとして色々な部分で状況が良くなりましたが、あまりに知り過ぎてしまいました、知りたくないものまで。これから知っていくことも多いんだということも感じましたし。例えば僕たちは、ライブハウス公演を長くやっていたら、映画みたいにフェス関係者が来て「君たちかっこいいねぇ」と言って大きなステージを用意してくれるんだと思ってました。そうじゃなかったんです。多くの人はつてがあるけれど、バンドシーンに知っている人も一人もいなかったし、それ以前にバンドを組んだこともなかったし。もちろん、だからこそ少し違う結果になったんだとは思います。

 

Q.結局ヒョゴはつてではなく自力でかっこよさを確立したバンドなのではないでしょうか?

ヒョンジェ|大衆が考える部分はちょっと違うと思います。テレビの力が確実にありました。だから余計誤解が生じたりもして。ああ、僕がこんなことだけで評価されたくないのにって。

 

Q.〈23〉は「無限に挑戦」出演後に出した最初の音源ですよね。「無限に挑戦」がある分岐点だとすれば、〈23〉はそれをあえて消してしまおうという感じの音楽でした。

オヒョク|意図的でした。僕たちは番組を通してものすごく変わりました。良い点の方が多いけれど、人々が両サイドから惑わせようとしているような気がしたんです。「かっこいいことをすると思ってたのに何をしているんだ?」「なんでこんな理解できないことをしているんだ?」という声が同時に聞こえてくるんです。だからこれじゃだめだ、切り替えようと思ったわけで(笑)。「無限に挑戦効果」で音源チャート1位を取った、という言葉が修飾語のように付きましたが、それが事実です。だから〈23〉を作る時とても苦労しました。自力でアルバムチャート1位を取りたいし、かっこいい部分も外せないし、どうやってバランスを取るべきか、と。

 

Q.ヒョゴが1位を狙っていたというのは意外ですね?

オヒョク|〈22〉をリリースした時もシステムについてはよく知りませんでした。僕たちはYouTubeで音楽を聴くし、例えばMelonはほとんど使ったことがなかったんです。そのうち音源サイトのシステムを知って、そこで人々がお金を稼ぐということも知りました。でも気分が悪いじゃないですか。無限に挑戦のおかげで1位を取ったと言われたら。それなら自分たちの力で1位をサッと取った後、今後は気にするのはやめよう、って出したのが〈23〉です。もう〈24:How to find true love and happiness〉からは、一回1位を取ったから気にしないことにしました。

 

Q.「TOMBOY」で1位を取りましたよね。

オヒョク|僕は「TOMBOY」は大衆的だと思ったんですが、意外と反対が多かったです。他の選択肢がなくてそれで出しましたが、1位になれたので十分です。僕たちがものすごく実験的な音楽をしているバンドでもないし、大衆性があると思ったんです。それが余計に押し切る原動力にもなりました。海外市場であれ韓国であれ、世間は僕たちを音楽的にも判断するけれど、結局はチケットの売れ行きを見るじゃないですか。

 

Q.そういうのが嫌だったかも知れませんね。

オヒョク|初めはやっぱりそうでしょう。この人たちもみんな俗物なんだなあ。しかも僕が好きだった会社までもそうやって尋ねるから。でもむしろ今はハッキリしてきた部分があります。

 

 Q.区別できるようになったということですか?

オヒョク|区別というよりは原理について悟ったような?

 

Q.原理を悟った後にもその原理に従ってしまわない自信が生まれましたか?

ヒョンジェ| 道が見えるような気がします。構造が見えなかったときには考えられない、そんな道です。本能で分かるんでしょう。

 

Q.先行視聴した〈24:How to find true love and happiness〉収録曲「LOVE YA!」は、ヒョゴが再び扉を開いたという印象でした。〈23〉で自分たちの力で最後まで行ってみようという覚悟が垣間見えたと思ったらまた閉められた扉を押し開くという。

オヒョク|似たような感じです。色々と疲れていました。でもなんにせよ新しいことをしなければならなかったし、本当に扉を開く感じでアプローチしたというのは正しいです。そろそろ次に行こう、って。

 

Q.初めて数字の横に「How to find true love and happiness」というサブタイトルも付きましたね。意図を説明しようというジェスチャーなのか?と推測しました。

ヒョンジェ|もっと見せたかったんです。内に秘めているものが多かったので、それを込めようと。以前好きな人がいたのに表現が足りなかったとしたら、今度はもっと表現しよう、という。

オヒョクあ|説明らしく見せようとした試みで合ってます。僕たちの話法はいつも真剣で訴えるようなトーンに近かったのですが、それを変えたくて。人々が僕たちの音楽を消費するのをずっと見ていられるじゃないですか。そうしているうちにたまっていく疲労感もたしかにあります。以前までの戯画化する内容が難しいテーマと雰囲気に徹していたとしたら、今回はとにかく普遍的なテーマなのでユーモアを入れようという考えでした。

 

 Q.その疲労感は意図が曲解されることから来るのでしょうか?Aという言葉をBと解釈されるだとか。それならば確実に意思疎通したいという気持ち?

オヒョク|それは違います。CになろうがDになろうが、それがフィードバックなので何でも良いです。選択の余地が広がることを望みます。僕が嫌なのは、Aなのかどうか分からないのにAだと話すことです。もちろん残念なことではあるけれど、強要することもできません。

 

Q.それで結局のところ「True love and happiness」、本当の愛と幸せとは何でしょうか?

オヒョク|まだよく分かりません。

イヌ|僕は些細なことからそういうことを感じます。

 

Q.「本当の」という感情まで感じますか?

イヌ|はい。今この場も幸せだと考えれば、心から幸せだと思えるタイプなので。例えば本当に食べたかったものを食べるとき、思わず声をあげてしまうような瞬間があります。後で思い返しても気分が良いし、そういう記憶は長く残るじゃないですか。幸せは近くにあるという言葉のように。

ドンゴン|最初に(オ)ヒョクからテーマを聞いたときに思ったことは、「自分は一度も考えてみたことがないな?」でした。うーん。本当の愛と幸せなんてものはないような気がします。例えば、ある日はお酒を飲むことが幸せだし、ある日はつまらなく感じるかもしれない。その時に良ければ良くて、つまらなければしないでしょう。

 

Q.新たな話法と新たなテーマが歌詞に込められているなら、演奏にも影響が及んだでしょう?

ヒョンジェ|とりあえず「LOVE YA!」の編曲をするときはサビ以外は歌詞がありませんでした。テーマについてだけ共有した後でした。僕が愛について話すときはこうやって表現しようという漠然とした感覚で演奏しました。自然に。

 

Q.理想的な方法のように聞こえますが?あえて完成した歌詞なしで、各自が考えるテーマについて思う存分演奏するという。

オヒョク|ほとんどいつもそうです。

ヒョンジェ|この部分の歌詞がこうなっているからこうする、というのはありません。テーマをゆるく共有して各自で編曲するんです。

 

Q.ヒョゴにとってバンドとは何でしょう?

ヒョンジェ|衝突です。お互いを理解した上で、自分が正しいという主張をしたがるもの。ある時期にはあるメンバーの言葉が正しくて、そうするとそれが音楽に反映されるんです。バンドは多様なカラーを持たざるを得ないものだと思います。

 

Q.想像してみるとヒョゴはみんなで演奏するときそうやって話をしているような感じがします。こんなリフやコードでいこう、ではなくてこんな情緒でやってみよう、という感じで。

オヒョク|僕たちは比喩をたくさん使います。ビジュアル的に話をするんです。だからミクシングをするときもいつもエンジニアさんに怒られて揉めます。「海の上に船が浮かんでいたらそれが左から流れていく気分でやってくれ」という風に話すから。みんな、僕たちと意思疎通するのが大変だと言います。

ヒョンジェ|イメージに接近するような感じです。同じギターリフがあっても他の観点でそのイメージを考えることができるじゃないですか。例えばロックとして受け入れるのか、他のジャンルに感じるのか。一曲を作るときこういうイメージを共有するんです。

 

 Q.一人がそうやって話せばみんな理解できますか?

ヒョンジェ|いまあかなり近くなりました。〈24:How to find true love and happiness〉作業はとてもよく出来ました。初めの頃はやはり大変でした。

オヒョク|〈22〉のときくらいまでは難しかったけれど、今はパッと話せば分かる感じ。

 

Q.幼い頃から一緒に成長した幼馴染ではないけれど、かえって今のヒョゴのように友達同士で結成したように見えるバンドは珍しいですよね。

オヒョク|僕たちが好きなバンドも検索してみるとほとんど友達同士で始めていました。でも僕たちはバンドをするために出会いました。バンド経験もなく、何も知らない状態で。それがむしろよかったんだと思います。

 

Q.今更のようですが、初めてバンドをやってみてどうですか?

ヒョンジェ|バンドをしようと思ったら自分が変わることを怖がらないようにしなければなりません。それが怖ければバンドはできません。

オヒョク|目指すところによって左右されるのではないかと思います。僕たちはかっこいいことをしようと集まって、最終的なアウトプットがかっこよくあるべきだという合意のもと結成しましたが、幼い頃からの友達同士ではそれが難しいじゃないですか。自分たちが好きで始めたのと、かっこいい成果物のために始めたのとでは全く異なります。だから幸いだと思います。

 

Q.何にせよ最終決定はオヒョクがするんでしょう?彼はどんなリーダーですか?

ヒョンジェ|ヒョクは非凡です。簡単に言うと、空気をよく読みます。状況把握に長けています。

オヒョク|ずる賢いってこと?

ヒョンジェ|違うよ、最後まで聞けって(笑)。人間関係だけでなく、周囲の出来事や動き自体にかなり敏感なタイプです。でも何かを感じたとき、それを説明するときのやり方はぶっきらぼうです。それでも感覚自体がもともとずば抜けているので信頼せざるを得ません。

 

Q.「Panda Bear」には「個の部屋から僕がいなくなっても、誰もそのことに気付かないだろう」という歌詞がありましたよね。だからこそ今のヒョゴがこんなに遠くに来たのではないかと思ったりもします。どうですか?

オヒョク|状況だけ見るとそうですが、個人的な人間関係のような部分は相変わらずその歌詞を書いたときと大差ありません。4年間かなり多くの出来事がありました。人は普通、ゆっくりゆっくり新しいことを経験しながら変わるじゃないですか。ところが僕たちは一度にあまりに多くのことを経験し、どう対処すればいいか分からなくてそれを全部体で受け止めたケースです。周りに行き先を教えてくれる人もいなかったし。なぜならそこに行ってみた人がいなかったから。だからその状態のまま剥製になった感じです。あの歌詞は今もまだ有効です。

 

 Q.新曲「Citizen Kane」の曲紹介にこのように書いてありました。「余裕を探せば余裕を見つけられるだろうに、あっという間に過ぎていく時間の中で僕はその方法を知りませんでした。しかし偶然おじさんと会話をしました」。おじさんに道を聞くヒョゴだなんて、すごく新しいなと思いました。ヒョゴとおじさんという単語はかなりかけ離れていると思うのですが。

オヒョク|おじさんと話をしたというのは実話ではありません、イメージを構成するために使った表現です。実は僕は、タクシー運転手のおじさんは世界中どこにいってもみんな同じイメージな気がするんです。僕たちが一日を過ごしながら新しい人と話をする機会がほとんどないじゃないですか。特定の条件が合えば可能なことですが、不思議とどこに行こうがタクシーのおじさんとは何気なく会話することができます。カウンセラーのように。そんな視点が面白かったんです。

 

 Q.大人らしいというのは何でしょうか?

オヒョク|人のために自分を犠牲にすること。それが良い意味であれ悪い意味であれ。そしてその両方に責任を取れるのが大人だと思います。

 

Q.ヒョゴはそうなることを望みますか?

オヒョク|いつかはそうなるでしょう。しかし今は違います。

 

Q.〈30〉という音源についても漠然と思い描いたことはありますか?

 オヒョク|〈30〉はないですね。して〈40〉?

 

 Q.30は今と変わらなさそうだから?

オヒョク|僕たちの周りに3~40代が多いんですよ。でも大して変わりません。僕が悩んでいることを一緒に悩んで。

イヌ|僕も30歳は同じだと思います。

 

Q.個人ではなくバンドヒョゴの30歳ならどうですか??

ヒョンジェ|それは分かりません。そのときの認識の中で何か話すのではないでしょうか?ヒョゴの作品は現在の悩みについての結果だと思っています。30歳になれば今と同じようにあれこれ30歳で感じる悩みを話すでしょう。でも音楽的にどうなるかは全く想像がつかないですね。

 

〈終〉